ダニエルは暴れすさびまくる雄羊と雄山羊の不可解な幻を見ていたが、
幻の意味を知りたいと思っているとちょうど、ダニエルの前に人のような者が立っていた。
すると、ウライ川の中の方からまた別の人の声が聞こえ、言った。
「ガブリエル、この人に幻の意味を教えなさい。」
ダニエルの前に立っていたガブリエルがダニエルのいる所まで来たので、ダニエルは恐れ、ひれ伏した。
「人の子よ、この幻は終わりの時に関する事だと理解しなさい。」
ガブリエルがこのように話している間に、ダニエルは気を失い地に倒れたが、
ガブリエルがダニエルに触れて起き上がらせ、言った。
「見よ、私はあなたに、怒りの最期の終わりに何が起きるかを示しましょう。定められた時間には終わりがあります。…」
(ダニエル書第8章15～19節 Daniel 8:15-19)
ダニエルが祈りを唱えている間に、先の幻で見たガブリエルが飛んできていて、夕方の捧げ物の時間の頃にやって来た。
「ダニエル、私は今、あなたに技と知恵を与えるために出て来ました。…」
(ダニエル書第9章21～22節 Daniel 9:21-22)
ザカリアのもとに天使が来て、妻が子を産むことを告げたのだが、ザカリアは天使に言った。
「私は何でこの事を知ることができるのでしょうか。私は老人ですし、妻も年をとっています。」
ザカリアはガブリエルの言ったことを信じることができなかったのである。
天使はザカリアに答えた。「私は神の前に立つガブリエルです。あなたに話しかけ、
これらの喜ばしい便りを知らせるために遣わされました。」
その生まれる子とは洗礼者のヨハネであった。
(ルカの福音書第1章18～19節 Luke 1:18-19)
天使ガブリエルは、ガリラヤのナザレと名付けられた町の、
ダビデの家系のヨセフという人と婚約している処女の所へ、神から遣わされた。
その処女の名前はマリアといった。天使はマリアのところへ来て、言った。
「とても恵まれた方、主は祝福されたあなたとともにあります。」
(ルカの福音書第1章26～28節 Luke 1:26-28)
ガブリエル、聖なる天使の一人、天国と蛇とケルビムを支配する者。
(第1エノク書第20章7節 1 Enoch 20:7)
見張る者たち(※スラヴ語エノク書の言うグリゴリに対応※)が原因で地上に血と不正が蔓延しているのを、4人の天使たちが嘆いて言ったのに対し、神が答えた。
ガブリエルに神が言った。「私生児や救い難い者たち、私通者らの子に対して処置をしなさい。
そして、人の間から見張る者たちの子を、破壊しなさい。彼らに敵対する他の者を送り、
お互いに戦わせれば、時間が経つと彼らはいなくなるであろう。…」
(第1エノク書第10章9節 1 Enoch 10:9)
自分を連れて行った天使たちがいなくなり、エノクは第7の天に一人残されしまい、エノクは恐ろしくなってきた。
すると神が輝かしい者の一人、大天使ガブリエルをエノクに送った。ガブリエルは言った。
「勇気を持って、恐れてはなりません。主の顔の前に、永遠の中へ、起き上がりなさい。立って、私と一緒に行きましょう。」
エノクは自分自身にこう言った。
「主よ、私の魂は恐れと震えから引き離されています。私は、この場所へ私を導いてくれた天使たちを呼びました。
彼らと一緒に、私は神の顔の前に行きます。」
そしてガブリエルはエノクを、風に舞う葉のようにつかみ上げ、神の顔の前に置いた。
(※第8、9の天を通り過ぎて第10の天まで飛んで行ったとあります。※)
(第2エノク書第21章4～6節 2 Enoch 21:4-6)
(※当該箇所には描写されていませんが、ガブリエルは元からそこに居たようです。※)
神はエノクを呼び出して言った。「エノク、ガブリエルと一緒に私の左側に座りなさい。」
(第2エノク書第24章1節 2 Enoch 24:1)